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Observation of long-range orbital transport and giant orbital torque
Hiroki Hayashi, Daegeun Jo, Dongwook Go, Tenghua Gao, Satoshi Haku, Yuriy Mokrousov, Hyun-Woo Lee, and Kazuya Ando
Communications Physics 6, 32 (2023).

軌道角運動量の流れである軌道流の存在を示す証拠を得るとともに、軌道流の生成現象である軌道ホール効果に起因する巨大な軌道トルクを観測することに成功しました。さらに、軌道流はスピン流に対して一桁以上長距離伝導することを明らかにしました。

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Observation of the crossover between metallic and insulating regimes of the spin Hall effect
Hiroyuki Moriya, Akira Musha, Satoshi Haku, and Kazuya Ando
Communications Physics 5, 12 (2022).

金属領域と絶縁領域のスピンホール効果のクロスオーバーを観測しました。これにより、絶縁領域におけるスピンホール効果のスケーリングを初めて明らかにしました。

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Spin-orbit torque manipulated by fine-tuning of oxygen-induced orbital hybridization
Yuito Kageyama, Yuya Tazaki, Hongyu An, Takashi Harumoto, Tenghua Gao, Ji Shi, and Kazuya Ando
Science Advances 5, eaax4278 (2019).

スピントロニクス素子界面のスピン軌道相互作用によって生成されるスピン軌道トルクを界面軌道混成の精密制御により最大化できることを明らかにしました。

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Spin Pumping Driven by Magnon Polarons
Hiroki Hayashi and Kazuya Ando
Physical Review Letters 121, 237202 (2018).

スピン系の非線形効果に注目し、パラメトリック励起を用いることで、フォノンと結合したマグノン(マグノンポーラロン)によって駆動されるスピンポンピングを観測することに成功しました。

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Intrinsic Spin-Orbit Torque Arising from the Berry Curvature in a Metallic-Magnet/Cu-Oxide Interface
Tenghua Gao, Alireza Qaiumzadeh, Hongyu An, Akira Musha, Yuito Kageyama, Ji Shi, and Kazuya Ando
Physical Review Letters 121, 017202 (2018).

強磁性金属/酸化物界面におけるスピン軌道トルクの生成がベリー曲率に起因する内因性機構に支配されていることをスピントルク強磁性共鳴測定によって明らかにしました。

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Molecular engineering of Rashba spin-charge converter
Hiroyasu Nakayama, Takashi Yamamoto, Hongyu An, Kento Tsuda, Yasuaki Einaga, and Kazuya Ando
Science Advances 4, eaar3899 (2018).

スピントロニクス素子表面への自己組織化有機単分子膜形成により、金属へテロ界面のラシュバ型スピン軌道相互作用を制御することに成功しました。さらに、自己組織化単分子膜の光照射による分子構造変化を用いることで、スピン軌道相互作用による電流・スピン流変換効率の光学的変調が可能であることを明らかにしました。

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Current-induced magnetization switching using an electrically insulating spin-torque generator
Hongyu An, Takeo Ohno, Yusuke Kanno, Yuito Kageyama, Yasuaki Monnai, Hideyuki Maki, Ji Shi, and Kazuya Ando
Science Advances 4, eaar2250 (2018).

空間反転対称性の破れを用いることで、金属酸化物絶縁体を用いたスピン軌道トルク生成と磁化制御を実現しました。さらに、金属酸化物中の酸素を電場により移動させることで、強磁性金属/金属酸化物界面におけるスピン軌道トルクの不揮発な電気的制御に成功しました。

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Spin-torque generator engineered by natural oxidation of Cu
Hongyu An*, Yuito Kageyama*, Yusuke Kanno, Nagisa Enishi, and Kazuya Ando (*: equal contribution)
Nature Communications 7, 13069 (2016).

スピン軌道相互作用が弱いCuが自然酸化するだけで、最も広く用いられているスピンホール材料の一つであるPt以上のスピントルク生成源となることを明らかにしました。自然酸化を制御した系統的な測定から、本現象がバルクスピン軌道相互作用由来であることが見出され、スピンホール効果の増大に関する新しい知見が得られました。

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Rashba-Edelstein Magnetoresistance in Metallic Heterostructures
Hiroyasu Nakayama, Yusuke Kanno, Hongyu An, Takaharu Tashiro, Satoshi Haku, Akiyo Nomura, and Kazuya Ando
Physical Review Letters 117, 116602 (2016).

Ag/Bi
の界面に現れる巨大Rashbaスピン分裂を用いることで、拡散スピン流を介したEdelstein効果によるスピントルク生成を観測しました。さらに、拡散スピン流によって現れる強磁性金属の磁化とRashba電子系の結合により駆動される新しい磁気抵抗効果「Rashba-Edelstein magnetoresistance」の観測に成功しました。

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Nonlinear spin-current enhancement enabled by spin-damping tuning
Hiroto Sakimura, Takaharu Tashiro, and Kazuya Ando
Nature Communications 5, 5730 (2014).

絶縁体から金属へと流れ出すスピン流とスピン系の緩和時間を同時に精密に測定することで、スピン流量が絶縁体中のマグノンの寿命によって決定されていることを明らかにしました。さらにマグノン数を保存するような散乱過程によってもスピン系の緩和時間が増大され、これによるスピン流の増大現象を観測することに成功しました。

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Polaron Spin Current Transport in Organic Semiconductors
Shun Watanabe*, Kazuya Ando*, Keehoon Kang, Sebastian Mooser, Yana Vaynzof, Hidekazu Kurebayashi, Eiji Saitoh, and Henning Sirringhaus (*: equal contribution)
Nature Physics 10, 308 (2014).

動的スピン流生成と逆スピンホール効果を用いることで導電性高分子中のポーラロンによるスピン流輸送を観測し、スピン軌道相互作用が弱いホッピング伝導系におけるスピン緩和機構を解明しました。

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Solution-processed organic spin-charge converter
Kazuya Ando*, Shun Watanabe*, Sebastian Mooser, Eiji Saitoh, and Henning Sirringhaus (*: equal contribution)
Nature Materials 12, 622 (2013).

導電性高分子が極めて長いスピン緩和時間と高いスピン流電流変換効率を併せ持っていることを発見し、塗るだけで出来上がるスピン流電流変換素子を実現しました。この発見により、電気を流すプラスチックを使った「プラスチックスピントロニクス」の発展が期待されます。

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Spin pumping driven by bistable exchange spin waves
K. Ando and E. Saitoh
Physical Review Letters 109, 026602 (2012).

負の非線形ダンピングによるパラメトリックマグノンの双安定性を発見しました。パラメトリックマグノンは絶縁体からの非線形スピン流生成を可能とします。この発見によりさらにメモリー機能も兼ね備えているということが明らかになり、絶縁体スピントロニクスの基本原理となることが期待されます。

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Observation of the inverse spin Hall effect in silicon
Kazuya Ando and Eiji Saitoh
Nature Communications 3, 629 (2012).

動的スピン流生成を用いて大面積に巨大スピン流を注入することで、エレクトロニクスの基幹材料であるシリコン中のスピン流電流変換観測・定量に成功しました。

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Electrically tunable spin injector free from the impedance mismatch problem
K. Ando, S. Takahash, J. Ieda, H. Kurebayashi, T. Trypiniotis, C. H. W. Barnes, S. Maekawa, and E. Saitoh
Nature Materials 10, 655 (2011).

あらゆる物質にスピン流を創り出せる「動的スピン流生成」を確立しました。さらにスピン交換相互作用を電気的に変調し、電場によるスピン流生成制御が可能となりました。

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Electric manipulation of spin relaxation using the spin Hall effect
K. Ando, S. Takahashi, K. Harii, K. Sasage, J. Ieda, S. Maekawa, and E. Saitoh
Physical Review Letters 101, 036601 (2008).

スピンホール効果を利用することでこれまで物質定数と考えられてきた磁気ダンピングを電気的に制御することに成功し、さらにこの現象が「スピン流メーター」として機能することを明らかにしました。